パネル1


パネルタイトル:帰ってきたウッしゃんフェローズ特別企画

「個を軸にした初級から上級への成長」

 

要旨

ことばの習得ほど、学習者自身の成長を大事にするものはない。本パネルは、学習者個人がいかに初級から中級、そして上級へとプロフィシェンシーの向上を試みるべきか、今年古希を迎えた老牛組を筆頭に丑年生まれの同志がその課題に対する具体案を提供する。最年長は、受け身・使役・補助動詞などの文型作文の指導において学習者自身の感情・経験・思考をより適切に反映するための「個人化」作業に際して、教師が学習者との対話を通じて行う表現の「精緻化」の重要性を提唱する。年中丑は、中級から上級に及ぶライティングに不可欠な詳述力や一貫性のある叙述力を養うための認知プロントを使用した作文指導の実践例を紹介する。最後に、年少丑は、ディスカッションを介した上級レベルの思考の深化における当事者意識の重要性とそれに対する教師の足場かけの可能性を追求する。司会進行は、年長丑が担当する。

 

発表者とタイトル

  1. 川口義一(最年長丑)

「個人化作文」を使っていかに「学習者主体」の表現を導くか

―初中級における表現の「精緻化」の実践―

 

  1. 由井紀久子(年中丑)

認知プロンプトを使っていかに詳しく具体的な記述を導くか

―中上級における記述の「詳細化」の実践―

 

  1. 奥野由紀子(年少丑)

ディスカッションの中でいかに思考の深化を促すか
―上級における「貧困問題」をテーマとした実践―

 

4.ファシリテーター: 鎌田 修(年長丑)

 

<パネラー略歴>

川口義一(かわぐち よしかず)
早稲田大学 名誉教授

略歴:

・1949年 丑年生まれ。

・1982年3月 早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。

・1978年4月~2014年3月 日本語教育を主要業務とする早稲田大学の学内機関3ヶ所で教鞭を執り、2014年4月同大学を早期退職。同時に、同大学名誉教授に叙せられる。

・現在、「言語・生活研究所」代表。また、2018年4月より「デジタルハリウッド大学」特任教授(非常勤)。早稲田大学在職中から現在に至るまで、海外における派遣・招待講演の経歴は、赴いた先の国や地域で延べ33ヶ所、回数では95回を超える。

主要業績:

・『日本語の発音指導―VT法の理論と実際―』(共著1990凡人社)

・『日本語教授法ワークショップ』(共著1996凡人社)

・『敬語表現』(1998大修館)

・『ライブ! 成長する教師のための日本語教育ガイドブック』(共著2005ひつじ書房)

・『ドラマチック日本語コミュニケーション 「演劇で学ぶ日本語」リソースブック』(共著2012ココ出版)

・『もう教科書は怖くない! 日本語教師のための初級文法・文型完全「文脈化」・「個人化」アイデアブック』(単著2016ココ出版)など

 

由井紀久子(ゆい きくこ)

京都外国語大学 教授 副学長 ランゲージセンター長

略歴:

・丑年生まれ。

・1997年 大阪大学大学院にて博士号(文学)を取得。

・専門:日本語教育学・意味論。

・ライティング・プロフィシェンシー、意味論、旧南洋群島において行われていた日本語教育に関心あり。

・JICA研修生、交換留学生、学部・大学院留学生等に対する日本語教育に従事。

主要業績

・『大学生と留学生のための論文ワークブック』(共著1997くろしお出版)

・『日本語プロフィシェンシーライティング』(共著2012凡人社)

・『コミュニケーションのための日本語教育文法』(共著2005くろしお出版)

・『プロフィシェンシーと日本語教育』(共著2009凡人社)など

 

奥野由紀子(おくの ゆきこ) 首都大学東京 准教授

略歴:

・丑年生まれ。

・広島大学大学院教育学研究科にて修士号・博士号(教育学)を取得。

・ニュージーランドウェリントン大学でのインターン、京都外国語大学留学生別科非常勤講師、横浜国立大学留学生センター講師・助教授・准教授を経て、2013年より首都大学東京(来年より「東京都立大学」に名称変更予定)准教授、現在に至る。

・専門は日本語教育、第二言語習得研究。

HP: http://nihongo.hum.tmu.ac.jp/~okuno/index.html

 

主要業績

・『第二言語習得過程における言語転移の研究―日本語学習者による「の」の過剰使用を対象に―』(単著2005 風間書房)

・『日本語教師のためのCLIL入門』(編著2018凡人社)

・『生きた会話を学ぶ中級から上級への日本語なりきりリスニング』(共著2016ジャパンタイムズ)

・『日本語教育のためのコミュニケーション研究』(共著2012くろしお出版)

・『日本語教育のためのタスク別書き言葉コーパス』(共著2014ひつじ書房)など

 

鎌田修(かまだ おさむ)

元 南山大学 教授

略歴:

・1949年(昭和24年) 丑年生まれ。

・1986年 マサチューセッツ大学大学院博士号取得(教育学)。

・1977 – 1992  米国アムハーストカレッジ、アリゾナ大学、ミドルベリー大学等にて教鞭。

・1992 – 2002  京都外国語大学日本語学科教授。

・2003 – 2018  南山大学日本文化学科教授、定年退職、現在同客員研究員。

主要業績:

・『日本語の引用』(単著2000ひつじ書房)

・『日本語教授法ワークショップ―ビデオ付き―』(編著1996凡人社)

・『プロフィシェンシーを育てる―真の日本語能力をめざして―』(共著2008凡人社)

・『プロフィシェンシーと日本語教育』(共著2008ひつじ書房)

・『対話とプロフィシェンシー』(共著2012凡人社)

・『談話とプロフィシェンシー』(共著2015凡人社)

・『新・生きた素材による中級から上級への日本語』(共著2012ジャパンタイムズ)

・『生きた会話を学ぶ「中級から上級へのなりきりリスニング」』(共著2016ジャパンタイム)など